【癒し】夏の海、人の優しさに気づいた出来事

私は夏になると必ず1回以上は『海』に行くことを夏の行事にしています。
私は佐賀市に住んでおり、そこから車で1時間ほどの唐津市西の浜海水浴場に行きます。
海へは人が少ない平日の午前中に行き、一人で海を眺め、少しだけ泳いで1時間ほどで帰るというのが私の夏の海の楽しみ方です。
5年前の夏、シーズンが始まった7月後半、いつものように平日の海に出かけました。
妻も子供も留守でしたので、私一人で海を楽しもうと午前中、車で出かけました。

ギラギラと太陽が照り付け夏本番って感じです。
私は、目の前がすぐ海という駐車場に車を駐車し、海水パンツに着替えて砂浜へ向かいました。
車のカギは、小さなジップロックに入れ、海水パンツのミニポケットの中に入れて海の中に入りました。

結構、風が強く、波が立っていましたが今年初の海を楽しみました。
少し泳いだら十分満たされ、夏の海や空を眺めて帰ろうと思い砂浜に上がりました。

波打ち際から砂浜に上がる途中、海水パンツのミニポケットが外に飛び出していることに気づきました。
すぐに状況を飲み込めず『あれ』と思ってミニポケットに手を突っ込んでみると、あるべきはずの車のカギがなくなっているではありませんか。
私は焦って何度も海水パンツを調べたり、周辺の浜辺を探したりしましたが見当たりません。
海の中に落ちてしまったことは明らかですが認めたくない気持ちがあり、車の中に置きっぱなしにしていたかも思いましたが現実は変わりません。海の中に落ちてしまったのです。
家族や知り合いに電話をしようと思いましたが財布も携帯電話も車のダッシュボードの中です。
この辺りから私は現実を認め始め、次にパニックに陥りました。
どうやって連絡しよう。
海水パンツ一つだとさらに不安が募ります。

平日、人気の少ない砂浜に家族連れの女性の方が現れました。
私は事情を説明し、携帯電話を貸してもらえませんか?とお願いしました。
最初は、怪訝な表情をしていましたが、困っていることを知り、携帯電話を貸してくれた上、子供たちは海に潜ってカギを探すのを手伝ってくれました。もちろん広い海の中、かなり波も立っているので小さなカギが見つかるはずもありません。
女性は、もう戻りますのでと『これ使ってください』と千円札1枚を私に手渡してくれました。
私はお礼がしたから連絡先を教えてくださいとお願いすると最初は『お金はあげます』と言っていましたが、『それでは』と名刺をくれました。
『なんて優しい人だろう。見ず知らずの人にお金までくれるなんで』本当に嬉しくてたまりません。
女性からいただいた千円のおかげで公衆電話を探し、連絡を取ることもできまました。
そして、夕方になって義父が車のスペアキーをもってきてくれたので無事に帰ることができました。

この経験で私は、いろんなことに気づかされました。
人の温かさ、やさしさ
海水パンツのミニポケットは安心できない
相手の携帯電話番号はほとんど覚えていない
公衆電話はほとんど無い。あったとしても電話番号がわからない。

その時は、超焦ったのですが、良い夏の思い出となりました。
後日、その女性の職場にお礼の手紙とともに現金を送り、その年の夏は終わりました。

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